月別アーカイブ: 2018年7月

多摩市立図書館本館基本計画(素案)への意見(花谷) パブコメ

「知の地域創造」という理念を実現する上で図書館がどのようなものになるのかは市民にとって唯一の関心事である。
「多摩市立図書館本館再整備基本計画」(素案)を見ると「中核を担う」「知るを支援する」「知の広場となる」のような言葉が踊っているが市民にとって具体的に何ができるところなのかの言及がない。
例えば自習ができる「自習室」として使って良いのか、市民がリラックスしてお茶を飲みながら話せる居場所「リビングルーム」として使って良いのか、ビジネス情報なども提供されつつ時には商談の場として使える「オフィス」として使って良いのか、更にはいろんな実験道具(3Dプリンタや高度なアプリケーションソフト)が整備されて市民の創作を支援してくれるところとなるのかである。
6/30日の説明会には市民の居場所としての図書館やコ・ワーキングの例なども紹介された。
本当にこのような図書館を目指し、そこに「知の地域創造」を込めるのであれば、そのコンセプトを明示して欲しい。例えば上記の例でいうのであれば
「新しい図書館のコンセプトは「自習室」であり「リビングルーム」であり「オフィス」であり「実験室」である。」という具合にである。
あるいは、もし伝統的な図書館の機能を逸脱するものでないのであれば 「新しい図書館の目的は蔵書の設置場所と図書館業務の効率化と強化である。」ということなのかである。
本素案の計画の優先順位は①充実した開架②交流できる広場③バックヤードの充実 とある。また「多摩市の図書館のめざすもの」には機能刷新としてのサービス提供側の都合と多様な出会いの創出程度のことしか書かれていない。
これからすると、今回の新しい図書館の目的は後者のようにも推察できる。もしそうであるならば「知の地域創造」という理念をどこで実現するのか? まさか「多様な出会いの創出」と「パルテノン多摩との連携」が「知の地域創造」の全てではあるまい。
いずれにしても コンセプトや目的を明確にしない限り、この基本計画がプロポーザルの要件書にはなり得ない。
基本計画策定委員長のお言葉では新しい機能に対して何を優先するかは市民が決めるべきとのことであった。その通りであると思う。
ここのところを明確にした上で再度、市民に差し戻して欲しい。目的やコンセプトとを市民と共有しない限り市民の間で不満が残る結果となることを危惧する。
因みに近年のIT技術の進展やアマゾンにみる書籍の流通革命をみると図書館が単に資料の提供場所だけの機能で良いとは思わない。公共施設としてのこれからの図書館の役割を明確にしない限り投資に見合う判断ができない。

Share on Facebook

多摩市立図書館本館基本計画(素案)への意見(花谷) パブコメ

                         花谷修一
図書館が「知の地域創造」を担う施設であるのならば市民の文化活動や市民の知的活動を積極的に支援してくれるところであってもらいたい。
例えば私共は市民による読書の感想文や書評を集めた「持寄り書評文庫」 というサイトを運営し定期的に読書会を開催している。
このサイトの趣旨は市民が互いに本を推薦し合うことで読書の機会を提供することにある。
図書館も、この本はぜひ市民に読んでもらいたいという本があるはずである。たとえ古い本であっても良い本であれば今に蘇らせる。そんな情報を提供してもらいたいのである。
また図書館の蔵書を選書するにあたっては選んだ本の理由があるはずである。その理由を教えてもらいたいのである。
これからの図書館は単に市民のリクエストを受身的に捉えるのでなくて、このような情報を積極的に発信してもらいたい。
この時に上述のようなサイトをぜひ活用して欲しい。むしろ市民活動に積極的に関わり、支援するという意味において上述のサイトの内容(コンテンツ)の充実について図書館も協力して欲しいのである。
そしてこのような情報発信を全国に向けて行えばシティセールスの一環にもなると思うし市民に向けて周知すれば市民の図書館に対する評価も上がるはずである。
そしてこのことこそが「知の地域創造」につながるものと考える。
何も建物が必須であるわけでもない。またお金がかかるわけでもない。
これからの図書館のあるべき姿は、このようなITの情報空間に対しても有益な情報を発信してもらうことであり、一方で居心地の良い実空間を提供しそこで催される読書会等に集う市民に向かって「知」を直接語ってもらいたいのである。そんな図書館像を期待する。
本意見は建設に関わるものではないが、これからの図書館の「知の地域創造」という理念の実現の一例として申し上げた。

Share on Facebook

多摩市立図書館本館基本計画(素案)への意見(高橋) パブコメ

                           住所:多摩市鶴牧5-13-16
                           氏名:高橋俊彦
                           電話:042-374-7086
                           2018/7/26
この素案は、検討委員会委員長等の理念で丁寧に作成されたと思われるが、残念ながら多摩市の抱える 諸課題に十分に対応できているとは考えがたく基本計画書としての塾度不足さが以下の様に目立つ。 1.「中央図書館サービス網の中核機能」トップに職員育成拠点機関とあるが、これは新設・移設とは
無関係で、現状でも必要な本来機能であり、行政人事制度と深く関わる運営コスト面での考察に掲 げるべき項目であり、地域館廃止論に利用されることを懸念する。(都道府県レベルの図書館職員 のあり方で論じるべき理想論ともいえ、多摩市の人口規模・人事制度(人件費問題を含む)を考慮 していない政策論と思われる)
2.並べられている諸機能は理想的・網羅的であり、多摩市民ニーズや図書館利用実体調査の定量的分 析も不十分なままでのまとめを急いだ結果と思われ、多摩市の未来にとっての魅力ある図書館像に 絞られた提案になっていない。せめて、専門性や地域性等から A(フルスペックの最高度機能を盛り 込んだもの),B(妥協案),C(最低限必要な機能)等、3案程度に機能分解し、投資効果評価(現状は建 物だけのコスト見積にすぎず、オンラインシステム改善コスト・運営費見積等が皆無)を含めた提 案として欲しかった(少なくとも、7月から利用開始された図書館新システムから出力可能な性別 年齢別等の統計データを駆使して再考する必要性等も今後の課題として指摘すべきであった)。
3.以下の様な新サービス機能・ニーズ・課題等に対する配慮が少ないと思われ追加検討を求める。 ・「知の地域創造というまちづくり」に貢献とあるが、市民の主体的な関わりをどうのように支援で
きるかの機能などの具体的提言が弱く、せめて、公文書資料室・議会図書館の組込による質の高い行 政/市民自治実現機能のあり方や社会経験豊富な人財による新しいまちづくり支援参画に関する考察 が欲しかった。
・地域館の存在意義(市民グループの強い地域館存続希望・利用実績の高さ)・地域館職員省力化策や役 割分担法を含む課題解決策の検討が不十分であるほか、本館と中央館の違いが明確に定義されておら ず混在して使われている。
・図書館運営時間帯の多様性を望む強い要望への具体的対応策、図書館の運用コスト削減策・図書館ア プリケーションシステムの効率化のあり方、ラーニングコモンズ対応等に関する提言も弱い。 (学園都市としての特徴である大学生が集うコワーキング室運営・創設や現行図書館システムの電子 化深度改善・有料 DB 化利用促進策等を含めたコスト評価が必要、PPP 方式検討の必要性など)
・市民とともに育てる図書館運営像(寄贈本増大策、運営費の市民寄付受入れ・運営の市民参加・ 有料オンラインサービスの安価提供化など友の会機能の充実策)への提言を追加して欲しかった。
・新図書館で市民にとって何が良くなり多摩センター活性化にどの様に資するかの検討がされて無い (少子高齢化・人口減少時代要請をどの様に予測し、どう対応すべきかの考察がない。どの様な市民 来場者層が増えるかの分析、高度な ICT 活用効果や多面的投資効果評価を、幅広い市民意見聴取から 総合的に時間を掛けてまとめるなど、利用者視線からの必要性を述べるべき) ⇒図書館単独館でなく、新時代ニーズを敏感に取入れるための市民協働の場・地域住民の交流連携(社 会教育の新しい公民館機能(生涯学習・健康増進・まちづくり機能等)充実化策など)・自己実現のた めの支援(協働・共創)の場のあり方に関する(投資効果の良い)積極的提案等にして欲しかった。
1
4.現候補地が図書館適地かどうかの多くの問題指摘がある検討経緯も踏まえた妥当性評価が欠けて いる。
・素案、冒頭頁の「施設整備特別委員会の経過」、「敷地についての検討経緯」、「基本計画のスタート にあたって」等に述べられている行政記述部分は、市民ニーズ・反対意見を全く記述されていない (特別委員会審議紛糾のまま議会強行可決の実体記述無し)欺瞞記述と言えるのに、正しい情報を 与えないままの検討委員会審議(市民委員選考法にも偏りがあり、真実の実体が語られなかたと思 われる)であったことを非常に残念に思う。
・折角育った緑(景観)大規模破壊、公園トイレ撤去と言った、公園用途変更に関する都市公園審議 会への答申を行わない都市計画手法に於ける行政不作為を隠蔽(適地でも無いプール跡地案が議会 否決されたにも拘わらず図書館基本構想委員会への再答申もないまま、市民の多数反対意見を無視 し議会強行採決)、パルテノンと連携し難い単独館(利用者利便性や連携効果が疑われ、自動車利用 者動線の不便さ等)、運営コストも高くなる考察(建設コストの節約努力が窺えない)も欠け、上記 課題もないパルテノン西隣接地案(政策提案済み)等の妥当性検討もされなかった。
・ ・検討委員会・図書館協議会の市民委員が偏り、先進的意見を持った委員候補者を排除している実体
にもメスを入れ、市民参加の幅を広げる図書館設置条例の設定などへの提言が欲しかった。
5. (補足) 図書館移設に関する前提諸条件の妥当性検討が全くなされないまま、委員会がスタートした問題
・今何故、図書館を移新設しなければ成らないかの市民合意もニーズ事前調査も不十分なまま、基金 準備0の準備不足の計画が、突然検討が始まったのは、学校法人からの土地交換要請に無批判に合 意した阿部市長の覚書文書からであり、適地でも無い利便性が悪く高価過ぎる土地への移転計画の 妥当性・必然性がない(小中一貫校誘致の市民ニーズもメリットもない、疑惑の強い強行案)と市 民・議会の猛反対で 1 年以上市政混乱してきた事を振り返る必要性がある(行政の主体性のない企 画姿勢や立地検討経緯・批判精神の欠如した Yesman 体質、コスト削減といいながら寧ろ増大した 投資額、コンペのなれ合い事業者指定体質等への反省が全く無い)。 しかも、パルテノン改築に合わせる必然性も無い計画を強行している行政姿勢が問題(議会否決結 果で、図書館移転も数年遅れてしまったのに、検討・工事をパルテノン改築に同期させことでコス ト削減するとの説明は全く論拠無く欺瞞である)であり、市長不信任相当でなかろうか。
・主体性が欠け無批判なコンサル丸投げの検討再生に対する企画部門(教育委員会を含む・市長部局 との責任共有化不足)の体制強化を含む行政改革提言が欲しかった。

2

Share on Facebook