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介護データを市民のミカタでかたる




介護データを市民のミカタで語る。

                 2015-11-23    多摩センター Conti

以下は去る2015年11月23日に多摩市で行われた「介護データを市民のミカタで語る。」と題したイベント(CrossOver)の内容です。

データの大部分は「XView」システムのテーマ「介護データバンク」から引用したものです。

特に「介護データバンク」は政府統計の「介護保険状況報告」「介護サービス施設・事業所調査」「国民生活基礎調査」を主として集計したものです。
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  • これは何の地図か?
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    この胃袋のような地図は 東京都多摩市の地図です。

    多摩市は「多摩ニュータウン」を擁する街です。

    高度成長の昭和という時代が歴史になりつつある今、あの昭和の時代の壮大な事業であった「多摩ニュータウン事業」によって開発された街です。

    いわば日本の高度成長を支えてきた戦士達の街で、その多くの戦士が一斉に鉾を収めようという時期に差し掛かったものだから、それに伴う多くの問題を抱えています。

    右の地図の真ん中あたりの色のうすいところは多摩川の支流の乞田川が流れており、それに沿って京王多摩線、小田急、ニュータウン通りが走っています。比較的平坦なところです。

    一方色の濃いところ 町田市との境界のあたりは尾根幹線が通っており、その名の通り山の尾根です。同様に日野市との境も あるいは愛宕の丘付近も山で 色が濃くなっています。

    だからといって、この地図は山、谷を表す標高地図ではありません。

    住民の高齢化率の分布を表す地図なのです。色の濃いところ、すなわち山側に高齢者がたくさん住んでいるというわけです。

    これは多摩ニュータウン事業の開発の経緯によるものです。

    従来から人が住んでいて平坦な乞田川沿いの土地は地権が複雑で区画整理事業に時間を要したため多摩ニュータウンはまず山側から開発してきたのです。

    そのため山側から入居が始まり、それから40年、50年経って 昔は壮健だった戦士達が階段、坂道の多い街のエレベータのない中層の団地に住んでいるというわけです。

    右図はそのような状況を表した地図なのです。

  • 日本の将来人口は
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    よく言われることだが日本は人口が減る。特に子供と生産年齢者がどんどん減るが高齢者は増える。

  • 多摩市の将来人口は
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    多摩市は全国以上に高齢化が進む。
    昭和の時代を果敢に戦った戦士達だけの街にしてはならない。

  • 要介護者の増加@多摩市
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    これからその戦士たち自身の介護が始まる。
  • 年齢区分別の要介護者比率
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    どこに住んでも「老い」は年齢とともに2次曲線でやってくる。

    それでも90歳になっても20%~50%の人は介護を必要とせず暮らしているということだ。
    というふうにに眺めれば多少は救われる。
    ともかく健康に留意して介護を必要としないように生きて行こうと

    しかし街によってその進度は随分と差がある。
    この要因は何だ?

  • 要介護者比率の要因分析
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    右図の相関図において横軸を変えて見る。
    赤印は多摩市
  • 健康度ランキング
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    要介護認定率(要介護者/第一号保険者)をランキングで並べてみる。
    全国979市区中トップは埼玉県 和光市   多摩市は34位
    早速 和光市市役所に電話して聞いた。「和光市は健康度ランキング一番ですね。何か秘訣でもあるのですか?」と
    あれもこれもの回答があった。しかしそんなことは我多摩市でもやっている。
    そこで 日頃健康寿命 都内一だと自慢している多摩市役所に聞いた。「和光市に負けているじゃありませんか?」と
    すると「そりゃ 和光市は・・・・・」とここでは書けないことを言う。
    いい意味順と思ったランキングが逆の意味になってしまう。
    世の中 統計や数字だけでは判断してはいけない。その数字の意味するところを正確に知る必要があるということだ。
    多摩市は34位ぐらいにつけているところでちょうどいい。

  • 東京26市90歳以上が元気な街は
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    90歳以上の要介護認定率の高いところが色が濃い。
    田舎程よくて都会ほどわるい。
    そんな中で まあ 多摩市はよしとしよう。

  • 要介護度別サービス受給者数
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    要介護が高くなるほど施設介護に頼らざるを得なくなる。
    当たり前のことか!
  • 要介護5サービス受給者比率 都会vs地方
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    要介護5になれば施設のお世話にならざるを得ないと思っていたが、これが現実か?
    世田谷では8割が居宅介護
    東京でもあきる野市や新潟の十日町市では多少その率が下がる。

    これは居宅介護を選んでいるからか、それとも施設に入ろうにも入れないからか?

  • 100人当たりの施設の定員は?
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    東京と富山では随分と差がある。
  • 東京におけるこのところの100人当たりの施設の定員
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    東京では施設が増える見込みはまったくありません。
  • 多摩市の施設状況
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    介護老人福祉施設(特養)では現在の入居者 :329
    ベッド数                 :577
    明日にでも入りたい要介護3~5の人の申込者:319

    なんともまあ~   ベッド数は空いているではないか!
    ベッド数の問題ではない。働き手の問題なのです。

    10年後 市は723名収容する介護老人福祉施設(特養)を見込むが多摩市も生産年齢人口が減る中でどのようにして介護に携わる働き手を確保しようとしているのだろうか

    注)右図は「XView」ではありません。

  • 居宅・地域密着サービスにおいて認定者の各サービス受給者の割合
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    都会ほど訪問サービスに頼らざるを得ない。

    注)単位% 各サービスの積み上げグラフ 複数サービスを受けている人もいるため100を超える

  • 居宅・地域密着サービスにおける利用者100人当たりのサービス事業者数比較
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    居宅・密着サービスの事業者は都会(東京)と地方(佐賀)ではどのサービスも都会(都会)が少ない。
  • 介護サービスにおける2025年の多摩市の見込み
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    要介護の人に対する居宅・密着の介護サービスにおける多摩市の見込み
       サービス対象人数は増える。
       しかしその中身は

    注)右図は「XView」ではありません。

  • 予防介護サービスにおける2025年の多摩市の見込み
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    これからのこの領域のサービスのポイントは
    「決算主義から予算主義へ」です。
    すなわち「必要なものはしようがない」から「優先度をつけて予算内で収める」です。

    この領域の「介護」という言葉はなくなります。(訪問介護、通所介護)
    より定義の広い「介護予防支援」となり保険者(自治体)の裁量が大きくなる。
    それに伴って市民の参加、監視も重要になる。

    注)右図は「XView」ではありません。

  • 受給者一人当たりの給付額の多い県
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    東京、大阪は少ない!
  • 受給者一人当たりの給付額 近隣市比較
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    多摩市の場合 八王子や日野よりも多いが年毎に毎年減っている。
  • 受給者一人当たりの給付額 サービス別の比較
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    要介護1の場合で比べる。
    居宅介護の場合 居宅介護の最大使用限度額は5万円に対して2.75万円しか使われていない。

    要介護1の100歳のおばあちゃんを居宅介護する70代のご婦人曰く
    「居宅サービスのメニューはすべてケアマネージャの言い成り。
    実の親とは言え老々介護で、どれだけ私が尽くしていることか?私にだって給付されたいわ」

  • 介護事業費用額@多摩市
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    72億 at 2013
  • 介護費用歳入@多摩市
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  • 2015年 多摩市費用額推計
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    倍増

    注)右図は「XView」ではありません。

  • 2015年 多摩市の介護保険料はどうなる
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    倍増

    注)右図は「XView」ではありません。


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