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「公園都市多摩市」に誇りを持ち風格ある街に!

鶴牧3-17 花谷

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あの大雨をもたらした暴れん坊の気圧配置が、残していった雲がまだちりぢりに空に浮かんではいるが、その雲は白く空の色は透き通るように青い。
あの夏の暑さの名残を幾分かは残して吹く風は、まだ強烈な日差しの中で湿気をおび、生温かくはあるが決して不愉快ではない。
そんな夏から秋に移行しようとするある日の昼下がり、私は私の住む団地の直ぐ隣にある鶴牧東公園の小高い丘に家族とともに登り至福のときを満喫している。

折しもわが団地では30年目の大規模修繕が終盤に掛かり夏の間、覆いかぶされていた天幕がとれ、塗り替えられたばかりの白い壁にお化粧直ししたところである。
30年目のお色直しではあるが何よりこの公園に隣接して、この公園の緑と空の白い雲、そして白い壁が織りなしている風景は、まんざらでもないと私は密かに思ってきた。

この街は人工的に作られた街だとよく言われるが30年も住むと私には愛着がわいてきたのである。

ここに多摩市の地区毎の高齢化率分布地図がある。これを見ると高齢化は見事に団地建設の古い順に一致している。
そしてこの多摩市の将来人口である。 
街は高齢者とともに古くなり若者も住まない街となっていずれ消えていくのかと、これらのデータに戦慄を覚えるのは決して私だけではあるまい。
それでは これらの予測を覆し、今ここに住む私たちができることは何なのであろうか?

ひとつには風格のある街というのはいい。人間、歳をとると「人格」が必要なように 街も年齢を重ねると「風格」が必要である。風格のある街と言われる街は 東京にはいくつかあり その街をまねるのもよし。 しかしゴミが落ちている街は風格がある街とは言えないだろし 草茫々の公園や団地があってはそうは言えないであろう。また街に大手の同じようなお店が並んでいたのでは個性のある街とは言えないだろう。多摩市民が経営していて小さくても本当に良いサービスをしてくれるお店があるならば市民が積極的にその店を応援し盛り立てる。そんなことがあってもいいだろうと思う。

二つ目は街の持っている財産を積極的に有効活用することである。
それでは多摩市の財産とは何か? 「人」であることはいうまでもない。立派な方々がお住まいになっていることは私もここ数年、地域に関心を持つようになって、あらためてそう思う。
しかし、ここでは もっと客観的なデータをお見せしたい。それは公園である。

  1. 一人当たりの公園面積
  2. 街の公園面積比率
  3. 歳出額における公園費比率
  4. 公園単位面積あたりの費用
  5. 公園費用の内訳

「一人当たりの公園面積」では稲城と多摩の色が濃いが 「このソースからあなたの独自の分析をしよう」のボタンをクリックしてほしい。これを見てわかるように多摩市がダントツなのである。
そしてこんな条例があるのを多摩市民の何人が知っているだろうか? 
多摩市には
    「多摩市立公園条例第1条の2(公園の設置基準)」というのがあり ここに
    市立公園の住民1人当たりの敷地面積の基準は13㎡ 以上とする。
とあります。
  この13㎡が どれだけ大きな値であることは 他の街と比べてみれば一目瞭然です。
私には この条例ができた背景を知るものではないが、恐らくは日本の街の見本となるような街づくりをしようとの深淵な理想があってのことだろうと思う。
そしてその結果が「街の公園面積比率」である。色が濃いのは多摩市だけである。街の面積の11%が公園なのである。もちろんこれはダントツ1位であるこは言うまでもない。

 それでは、この広い公園を維持するのにどれだけお金が掛かっているのかということが気になる。
多摩市の年間歳出額における公園比率は2011年~2013年で、ほぼ1.5%前後であり、これを公園の単位面積あたりの費用で見ると1㎡当たり382円。これは何と東京都区部市部合わせて49中の44位の少なさである。
一体これは何を意味しているのだろうかと「多摩市決算報告書」を紐解いて,公園に関してどんな事業があるのかを見たのが「公園費用の内訳」である。
多摩市の場合は公園費として「公園管理経費」と「公園整備事業」がある。他に公園費ではない「緑化推進対策費」があるがその費用はわずかである。いずれにしてもこれを見ただけでは以下はわからない。

  • 市役所の努力により公園管理が極めて効率的に行われているのか
  • 多くのボランティアの貢献によって費用が少なくて済むのか
  • 管理の品質を下げて費用を抑えているのか

管理の品質を下げるなどということがあってはならないことではあるが 折しも夏草が生い茂り何とかならないものかと思われる所がないわけではない。
「そんなところは怖くて通れません。」などと発言する人が先日の「新議員とのトーク会」であり「そんなところは畑にしたらどうか」ともいう。「公園を利用する人は少なくなっている。一日中誰も来ない公園もある。」とある議員は問題提起する。ここに参加した中学生も「僕自身 総合体育館には行くが公園に行くことは少ない。周りも見てもファーストフード店でおしゃべりすることが多い。」ともいう。
これに対して「北海道から九州までいろんなところで住んだが永山が世界一だ」という人も現れた。
上述のデータはこの人の感覚が正しいことを裏付けているのではないかと思う。
この多摩市に生まれてからずっとこの方、住んでいる人にとっては、この環境が当たり前のように思っているが、実はこの環境は日本一、世界一ななのだということに実感がないのではないか。その所為でメンテナンスを怠ってはならないのです。むしろもっと投資をすべきではないのだろうか
そして 我々市民は、誇りをもってこの環境を大事にし更には「風格」の要素を加味して世界にブランドとして発信していく。
そんな活動をITを使ってやろうとしている団体もあることを知っているが微力ながら応援したいと思う。

立派な条例があるにも関わらす、行政が今一つ力が入らないのは、議員さんが言うように「人っ子一人いない公園が本当に利用価値があるのか?」という疑念を抱いているからではないかと思う。確かに冒頭の情景も、その公園には私の家族しかいなかった。だからこそ私はその情景を満喫できたとも言える。
公園の価値を測るのは、とても難しい。定量的な評価を行うには国交省が公園の事業評価基準を出している。 
行政が既にこれに基づいて評価しているのなら公表してほしい。
しかし、こんなむずかしい評価がなくても本当の価値は住民の心の中にあると思う。それはこの環境に対する愛の深さとでもいうべきもので、これを測るのは国交省の評価基準以上にむずかしいが、あらためて市民を啓蒙することができる。そして誇りをもって発信すれば、それがブランド力になる。そして子育て世代にとっては言うに及ばず、だれもが住みたい街、憧れの街にする能力と資産が多摩市にはあると思うのです。

*注)XVIEW各データの出典は表集計画面の「ホーム」に記載されています。

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6月定例議会スタート・6月11日【傍聴席】から

hanataniが神津さんの原稿を代筆
議員改選後の初議会が始まり、珍しく傍聴席が20名前後の市民で埋まりました。
少なくとも新しいスタートに当たっての期待感から足を運ばれた市民の関心の高まりかと前向きに受け止めました。
しかし増田、三階、板橋3議員の一般質問、と行政答弁を聞き終ると全く変わり映えのない10年1日の如き相変わらずの形骸化された議会風景となり、これでは市民の足は遠のき、もとの光景に戻ってしまうのではないかの懸念を抱かざるを得ません。
 市民の率直な感想は、増田議員の防災対策・公共施設の使用料改定、三階議員の学生のまち多摩市について金沢市の視察の事例紹介と多摩市の現状、板橋議員の図書館問題等々、行政への“質し”は良しとしても通告質問と用意された答弁の朗読学芸会に時間を費やし、その上の繰り返しの多い再質問は何とかしてもらいたい。「そう指摘する議員さんは言うだけで貴方は何をしてくれるのでしょうか?」ではないでしょうか。

新議員である伊地智さんの、共通番号制度・多摩市の航空騒音についての質疑テーマの賛否はともかくとして、あれだけの質問に至る事前の調査勉強と言葉を大切にした新鮮さが感じられました。初心を忘れず市民が望む議会改革の展開を期待します。

議会改革が叫ばれ、議会基本条例も制定され久しいですが、議員は行政に対し自治基本条例の基本に立ち返れという前に、議会基本条例に謳われた、市民と議員の距離感をなくすことを実現してもらいえないでしょうか。一部の支援者の声だけではではなく。
行政に対し、地域市民の対話の場とか出前説明会とかを力説しますが、議員は市民の代弁者である筈です。行政がまちへ出向けの前に、議員こそ日頃日常生活の中で市民と対話を行い意見交換から、場合によってはその政策提案を議場で討論できるようなことにならないものでしょうか。
そんな議会が実現したら議場の傍聴席は足りなくなること必至です。

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