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多摩市立図書館本館基本計画(素案)への意見(神津)パブコメ

                            多摩市鶴牧  神津幸夫
図書館本館再整備計画は多摩市の公共施設を総合包括的且つ長期的な視点を持った計画にすべきです。
その理由は、
1. 多摩市が誕生し、ニュータウンが形成され半世紀経た今と、これからの50年先は全く異なったまちのかたちに変わらざるを得ない。(特に高齢化による急速な人口減、担税者減)。
2. この問題意識から市は公共施設の見直しを進めているがその計画は未だ道半ば。
多摩市の図書館の在り方として既存地域館の存在意義、そこに求められる機能、足らざるを補う機能の明確化がされていない。
3. 基本計画検討委員会委員長の指摘として、「パルテノン多摩との相乗効果というがパルテノン多摩大規模修繕の機能が見えないのに言及すべきできない」「委員会の検討はここまででここから先は市民が決めること」としていることから、パルテノンの基本設計でその改修の機能、維持管理運営方法決定後に相乗効果の有無を論じるべきだ。
4. 現在の仮設本館に物理的の問題があるなら、暫定活用期限を延長し対応策を講じれば良い。
5. 全国の基礎自治体、政府も既存の公共施設(館)の統合化・利活用に苦慮し、インフラ(土木)の再整備に頭を悩ましている最中に、公園の一角の緑を犠牲に新ビルディングの建設計画が多摩市のみは例外と言えるのか。
言えるならその根拠を明確にしなければならない。

立ち止まって考えるべきだ
 予定されているパルテノン多摩大規模改修、新市庁舎、永山地区再整備計画(日医大建て替え等を含む)はこれから50年先の多摩市のまち創りの核となるものとなる。パルテノン改修は既存建物の危険性対応、更により有効な場の創成で、待ったなしとしとするなら、これからの新施設計画はこれを前提とした長期的・包括的計画とすべきだ。これからの図書館の在り方は、世代を超えた正しい答えを導きださなければならない。そのためには更に市民コンセンサスを必要とし立ち止まって考える時間を必要とする。

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多摩市立図書館本館基本計画(素案)への意見(花谷) パブコメ

「知の地域創造」という理念を実現する上で図書館がどのようなものになるのかは市民にとって唯一の関心事である。
「多摩市立図書館本館再整備基本計画」(素案)を見ると「中核を担う」「知るを支援する」「知の広場となる」のような言葉が踊っているが市民にとって具体的に何ができるところなのかの言及がない。
例えば自習ができる「自習室」として使って良いのか、市民がリラックスしてお茶を飲みながら話せる居場所「リビングルーム」として使って良いのか、ビジネス情報なども提供されつつ時には商談の場として使える「オフィス」として使って良いのか、更にはいろんな実験道具(3Dプリンタや高度なアプリケーションソフト)が整備されて市民の創作を支援してくれるところとなるのかである。
6/30日の説明会には市民の居場所としての図書館やコ・ワーキングの例なども紹介された。
本当にこのような図書館を目指し、そこに「知の地域創造」を込めるのであれば、そのコンセプトを明示して欲しい。例えば上記の例でいうのであれば
「新しい図書館のコンセプトは「自習室」であり「リビングルーム」であり「オフィス」であり「実験室」である。」という具合にである。
あるいは、もし伝統的な図書館の機能を逸脱するものでないのであれば 「新しい図書館の目的は蔵書の設置場所と図書館業務の効率化と強化である。」ということなのかである。
本素案の計画の優先順位は①充実した開架②交流できる広場③バックヤードの充実 とある。また「多摩市の図書館のめざすもの」には機能刷新としてのサービス提供側の都合と多様な出会いの創出程度のことしか書かれていない。
これからすると、今回の新しい図書館の目的は後者のようにも推察できる。もしそうであるならば「知の地域創造」という理念をどこで実現するのか? まさか「多様な出会いの創出」と「パルテノン多摩との連携」が「知の地域創造」の全てではあるまい。
いずれにしても コンセプトや目的を明確にしない限り、この基本計画がプロポーザルの要件書にはなり得ない。
基本計画策定委員長のお言葉では新しい機能に対して何を優先するかは市民が決めるべきとのことであった。その通りであると思う。
ここのところを明確にした上で再度、市民に差し戻して欲しい。目的やコンセプトとを市民と共有しない限り市民の間で不満が残る結果となることを危惧する。
因みに近年のIT技術の進展やアマゾンにみる書籍の流通革命をみると図書館が単に資料の提供場所だけの機能で良いとは思わない。公共施設としてのこれからの図書館の役割を明確にしない限り投資に見合う判断ができない。

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多摩市立図書館本館基本計画(素案)への意見(花谷) パブコメ

                         花谷修一
図書館が「知の地域創造」を担う施設であるのならば市民の文化活動や市民の知的活動を積極的に支援してくれるところであってもらいたい。
例えば私共は市民による読書の感想文や書評を集めた「持寄り書評文庫」 というサイトを運営し定期的に読書会を開催している。
このサイトの趣旨は市民が互いに本を推薦し合うことで読書の機会を提供することにある。
図書館も、この本はぜひ市民に読んでもらいたいという本があるはずである。たとえ古い本であっても良い本であれば今に蘇らせる。そんな情報を提供してもらいたいのである。
また図書館の蔵書を選書するにあたっては選んだ本の理由があるはずである。その理由を教えてもらいたいのである。
これからの図書館は単に市民のリクエストを受身的に捉えるのでなくて、このような情報を積極的に発信してもらいたい。
この時に上述のようなサイトをぜひ活用して欲しい。むしろ市民活動に積極的に関わり、支援するという意味において上述のサイトの内容(コンテンツ)の充実について図書館も協力して欲しいのである。
そしてこのような情報発信を全国に向けて行えばシティセールスの一環にもなると思うし市民に向けて周知すれば市民の図書館に対する評価も上がるはずである。
そしてこのことこそが「知の地域創造」につながるものと考える。
何も建物が必須であるわけでもない。またお金がかかるわけでもない。
これからの図書館のあるべき姿は、このようなITの情報空間に対しても有益な情報を発信してもらうことであり、一方で居心地の良い実空間を提供しそこで催される読書会等に集う市民に向かって「知」を直接語ってもらいたいのである。そんな図書館像を期待する。
本意見は建設に関わるものではないが、これからの図書館の「知の地域創造」という理念の実現の一例として申し上げた。

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多摩市立図書館本館基本計画(素案)への意見(高橋) パブコメ

                           住所:多摩市鶴牧5-13-16
                           氏名:高橋俊彦
                           電話:042-374-7086
                           2018/7/26
この素案は、検討委員会委員長等の理念で丁寧に作成されたと思われるが、残念ながら多摩市の抱える 諸課題に十分に対応できているとは考えがたく基本計画書としての塾度不足さが以下の様に目立つ。 1.「中央図書館サービス網の中核機能」トップに職員育成拠点機関とあるが、これは新設・移設とは
無関係で、現状でも必要な本来機能であり、行政人事制度と深く関わる運営コスト面での考察に掲 げるべき項目であり、地域館廃止論に利用されることを懸念する。(都道府県レベルの図書館職員 のあり方で論じるべき理想論ともいえ、多摩市の人口規模・人事制度(人件費問題を含む)を考慮 していない政策論と思われる)
2.並べられている諸機能は理想的・網羅的であり、多摩市民ニーズや図書館利用実体調査の定量的分 析も不十分なままでのまとめを急いだ結果と思われ、多摩市の未来にとっての魅力ある図書館像に 絞られた提案になっていない。せめて、専門性や地域性等から A(フルスペックの最高度機能を盛り 込んだもの),B(妥協案),C(最低限必要な機能)等、3案程度に機能分解し、投資効果評価(現状は建 物だけのコスト見積にすぎず、オンラインシステム改善コスト・運営費見積等が皆無)を含めた提 案として欲しかった(少なくとも、7月から利用開始された図書館新システムから出力可能な性別 年齢別等の統計データを駆使して再考する必要性等も今後の課題として指摘すべきであった)。
3.以下の様な新サービス機能・ニーズ・課題等に対する配慮が少ないと思われ追加検討を求める。 ・「知の地域創造というまちづくり」に貢献とあるが、市民の主体的な関わりをどうのように支援で
きるかの機能などの具体的提言が弱く、せめて、公文書資料室・議会図書館の組込による質の高い行 政/市民自治実現機能のあり方や社会経験豊富な人財による新しいまちづくり支援参画に関する考察 が欲しかった。
・地域館の存在意義(市民グループの強い地域館存続希望・利用実績の高さ)・地域館職員省力化策や役 割分担法を含む課題解決策の検討が不十分であるほか、本館と中央館の違いが明確に定義されておら ず混在して使われている。
・図書館運営時間帯の多様性を望む強い要望への具体的対応策、図書館の運用コスト削減策・図書館ア プリケーションシステムの効率化のあり方、ラーニングコモンズ対応等に関する提言も弱い。 (学園都市としての特徴である大学生が集うコワーキング室運営・創設や現行図書館システムの電子 化深度改善・有料 DB 化利用促進策等を含めたコスト評価が必要、PPP 方式検討の必要性など)
・市民とともに育てる図書館運営像(寄贈本増大策、運営費の市民寄付受入れ・運営の市民参加・ 有料オンラインサービスの安価提供化など友の会機能の充実策)への提言を追加して欲しかった。
・新図書館で市民にとって何が良くなり多摩センター活性化にどの様に資するかの検討がされて無い (少子高齢化・人口減少時代要請をどの様に予測し、どう対応すべきかの考察がない。どの様な市民 来場者層が増えるかの分析、高度な ICT 活用効果や多面的投資効果評価を、幅広い市民意見聴取から 総合的に時間を掛けてまとめるなど、利用者視線からの必要性を述べるべき) ⇒図書館単独館でなく、新時代ニーズを敏感に取入れるための市民協働の場・地域住民の交流連携(社 会教育の新しい公民館機能(生涯学習・健康増進・まちづくり機能等)充実化策など)・自己実現のた めの支援(協働・共創)の場のあり方に関する(投資効果の良い)積極的提案等にして欲しかった。
1
4.現候補地が図書館適地かどうかの多くの問題指摘がある検討経緯も踏まえた妥当性評価が欠けて いる。
・素案、冒頭頁の「施設整備特別委員会の経過」、「敷地についての検討経緯」、「基本計画のスタート にあたって」等に述べられている行政記述部分は、市民ニーズ・反対意見を全く記述されていない (特別委員会審議紛糾のまま議会強行可決の実体記述無し)欺瞞記述と言えるのに、正しい情報を 与えないままの検討委員会審議(市民委員選考法にも偏りがあり、真実の実体が語られなかたと思 われる)であったことを非常に残念に思う。
・折角育った緑(景観)大規模破壊、公園トイレ撤去と言った、公園用途変更に関する都市公園審議 会への答申を行わない都市計画手法に於ける行政不作為を隠蔽(適地でも無いプール跡地案が議会 否決されたにも拘わらず図書館基本構想委員会への再答申もないまま、市民の多数反対意見を無視 し議会強行採決)、パルテノンと連携し難い単独館(利用者利便性や連携効果が疑われ、自動車利用 者動線の不便さ等)、運営コストも高くなる考察(建設コストの節約努力が窺えない)も欠け、上記 課題もないパルテノン西隣接地案(政策提案済み)等の妥当性検討もされなかった。
・ ・検討委員会・図書館協議会の市民委員が偏り、先進的意見を持った委員候補者を排除している実体
にもメスを入れ、市民参加の幅を広げる図書館設置条例の設定などへの提言が欲しかった。
5. (補足) 図書館移設に関する前提諸条件の妥当性検討が全くなされないまま、委員会がスタートした問題
・今何故、図書館を移新設しなければ成らないかの市民合意もニーズ事前調査も不十分なまま、基金 準備0の準備不足の計画が、突然検討が始まったのは、学校法人からの土地交換要請に無批判に合 意した阿部市長の覚書文書からであり、適地でも無い利便性が悪く高価過ぎる土地への移転計画の 妥当性・必然性がない(小中一貫校誘致の市民ニーズもメリットもない、疑惑の強い強行案)と市 民・議会の猛反対で 1 年以上市政混乱してきた事を振り返る必要性がある(行政の主体性のない企 画姿勢や立地検討経緯・批判精神の欠如した Yesman 体質、コスト削減といいながら寧ろ増大した 投資額、コンペのなれ合い事業者指定体質等への反省が全く無い)。 しかも、パルテノン改築に合わせる必然性も無い計画を強行している行政姿勢が問題(議会否決結 果で、図書館移転も数年遅れてしまったのに、検討・工事をパルテノン改築に同期させことでコス ト削減するとの説明は全く論拠無く欺瞞である)であり、市長不信任相当でなかろうか。
・主体性が欠け無批判なコンサル丸投げの検討再生に対する企画部門(教育委員会を含む・市長部局 との責任共有化不足)の体制強化を含む行政改革提言が欲しかった。

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「拝啓 市長さま、こんな図書館を作りましょう」

表題のタイトルは下記の本のタイトルである。著書はイタリア人 アントネッラ・アンニョリ
ある人から勧められたが図書館関係者の間ではそれなりに評価の高い本だと聞く。
ここに図書館という空間のポイントについて記されているので紹介する。

  • 人々が一緒にいられるように空間を使い、蔵書スペースは今より少なくする。
  • 図書館の古典的モデルを打破する。つまり、図書館業務と閲覧室を対置させ、大きな受付カウンタをおき、キッズエリア、ティーンエイジャーエリア、一般エリアをはっきり区別するような空間にはしない。
  • オープンスペースを増やす。禁止事項を作ったり、空間を分断しないようにする。利用者が歩きまわったり、インターネットを楽しんだり、電子リーダーやタブレットの使い方を理解したり、作業をしたり、勉強をしたり、静かに考えごとをしたり、日々の暮らしに役立つ資料を見つけたりできるスペースを設ける。
  • 「隙間」(階段など)を最大限利用する。利用者が自由に使ったり芸術作品を展示したりする。
  • 「家」でいるようでいて独りではないと感じられ、また仕事場のようにも感じられる空間にする。
  • オリジナリティに溢れ、創造力を掻き立てられる素材、かたち、色を用いる。
  • 蔵書はテーマ毎に拝架する。たとえば、音楽のセクションには楽器を置いてみよう。利用者にとってはその場で練習したり、学習したり体験したりという機会になるだろう。
  • 持参の電子端末が館内のどこからでもWifiにアクセスできるようにする。タブレット、ノートパソコンの貸出も行う。
  • 内装や設備品は、リラックスできる空間、さまざまに利用できる空間、柔軟な空間にするのに役立つものを使う。
  • 書庫がまだ存在している場合、希少図書以外は利用者閲覧できるようにする。
  • 同一建物内に公共図書館と大学図書館を設置する、あるいは、大学図書館を市民に開放する。
  • 図書館と書店を併設するという発想を試験的に行ってみる。
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図書館 ニューヨークからの報告と提言

 
 
はじめに
先日ニューヨークに行く機会があり、かの有名なニューヨーク公共図書館(The NewYork Public Library)を隈なく見学してきた。
折しも多摩市立図書館本館再整備基本計画検討委員会の市民委員への募集があり、ここで見学した結果を本委員会にフィードバックしたいとの想いで私の意見を論文にして応募したのだが渡米中に不採用との連絡を受け失意の内に帰国。しかしここで得た情報はぜひ一般市民の方々にもお伝えしなければと思い気を取り直してここに報告する。
もちろん、日本の一自治体の図書館を考える上で、かの大都市ニューヨークの図書館が参考になるのかとの批判があるのは重々承知の上で、それでも図書館の持つ本来の機能が、インターネットをはじめとするITテクノロジーの影響を受けるのはどんな図書館であっても共通の課題のはずであり、The NewYork Public Libraryはこれをどのように受け入れ、図書館の新たな機能としてどう取り入れているのかが私の興味の的であった。

 
 
ニューヨーク公共図書館(The NewYork Public Library)
ニューヨーク公共図書館はマンハッタン、ブロンクス、スタティン島の3地区をカバーしてそこに4つのリサーチ館(research libraries)と88の分館(neighborhood branches)とからなる。
このネットワークを総称してニューヨーク公共図書館であり、研究・調査のためのリサーチ館とコミュニティ・地域住民サポートを担う分館との位置づけのようではあるが下記のWebサービスにみるように全てのサービスがリサーチ館であれ分館であれ、また図書館にいなくてどこにいても情報を提供できるような体制が敷かれていてネットワークで運営されていると言っても過言ではない。
ここで重要なことは公共図書館であって公立図書館ではない。19世紀半ばに設立されアンドリュー・カーネギーなどの寄付によるもので今もNPOによって運営されている。 2016年度のアニュアルレポートよると歳入がリサーチ館、分館合わせて3億ドル(330億円) NPO運営とは言っても分館の方はニューヨーク市のお金が大分入っているようではある。ただリサーチ館の方は大部分が運用収益と寄付で賄われている。アメリカらしい寄付文化によって設立されここから多くの企業家(ゼロックスのチェスター・カールソン等)や文化人(サマセット・モーム等)を輩出したという実績と伝統に加えて図書館としての先進的な取り組みでその名を馳せている。

 
 
Stephen A.Schwarzman (Mid Manhattan Library)
リサーチ館の一つで社会科学、美術において世界の有名な蔵書を保管しているとのことである。5番街42丁目といえばマンハッタンのど真ん中であってプライアントパークに隣接し西に100m行けばグランドセントラル駅、東に100m行けばタイムズスクエア、南に100m行けばエンパイアステートビル そして北に数分歩けばセントラルパークである。1911年に建てられたボザール式建築の歴史的建造物、3階建ての重厚な建物で石段を登った一階のエントランスでは天井に高く伸びたアーチと贅沢な装飾や壁画に目を奪われる。2階のギャラリーには額に入った立派な絵画やコレクションが展示されている。これが図書館なのか?というのがまず第一印象。早い話が多くの人が訪れるニューヨーク公共図書館のシンボルとしての観光名所の一つであって観光客のためのツアーガイドがあり全体を知るにはいいかもしれないが参考にはならない。
唯一図書館らしいところを特筆すれば、3階のメインリーディングルームであり大きな机と立派な椅子が用意されており確かにこんなことろで読書できれば落ち着いて集中できると思わせる。このメインリーディングルームの入り口にはレファレンスルームがあり大きなカウンタに司書の方が数人居てレファレンスサービスを行なっている。看板には「何でも相談、さらに詳しくは専門家を紹介します」と書いてある。おそらくレファレンスサービスを行うに当たってバックグラウンドには専門家の大きな支援体制があり司書の仕事はその取次も大きな役割なのだと思われる。不思議に思うのはリーディングルームにしろレファレンスルームにしろ書架が林立していてそこに図書館としての書籍が格納されているかというとそうではない。壁面だけに綺麗に装丁された本が並んでいるが、それはジャンル毎、年代毎の出版物の手作りのカタログ(目録)であった。もっともこの重厚な部屋に本屋の書棚のようなものは似合わない。

 
 
SIBL(シブル)
SIBLはScience,Industory and Business Libraryの略でその名の通り科学、産業、ビジネス関係のリサーチ館だ。Stephen A.Schwarzman Buildingからそう遠いくない所に昔はデパートだったという古いビルの一角(1階と地階)にある。
マンハッタンは狭い。今もあちこちでSkyscraper(摩天楼)の工事が行われていますがおそらくエンパイアステートビルをはじめ多くがニューディールの時代に建てられたものだと思う。しかも古い街並みを保存しようとしていて日本のように建てては壊すようなことはしない。ただあちこちでリノベーションの工事が行われているのがニューヨークの街の特徴である。
そんな中でSIBLの建物も古い。ところが1996年開設だというから歴史は浅い。
中に入ると壁には大きなボードがありビジネスで成功した人の格言がところ狭しとして掲げられているのが特徴といえば特徴だろうか?
あちこちに書架があるがその書架に本はまばらである。見ての通りガラガラである。
日本の図書館の方が余程立派である。土曜日の午前中であってのことか人も少ない。

 
図書館関係者によるとニューヨーク公共図書館の最も評価されているところがSIBLだと。開設がちょうどインターネットが普及しはじめた頃で、これらのIT技術が社会に及ぼす影響を見越して開設し、図書館自身もこの新しい技術を使って運用し、またのこれを利用してビジネスを起こす人を支援するために作られたものだと聞いていた。そこにアメリカらしいアメリカのしたたかな戦略があるのだと。
一体そんなところはどこにあるのだと最初足を踏み入れたときにはわからなかった。それはどうも地階の施設らしい。


■ElectronicInformationCenter

■InformationServiceCenter

■JobSearchCenter

■ConferenceRoom

地階にはデータベースがあり、これを利用するための部屋がある。最も大概のものはインターネットを介して検索できるらしい。State of the art(最新)の技術情報からマーケティング情報、特許情報等 ビジネスを始めるためのあらゆる情報が索引できるのだそうだ。

そして市民であれば誰でもがこれらの情報を活用できる。特に斬新なアイデアを持っていて、これからビジネスを始めようとする個人や フリーランスの人に1対1でビジネスアドバイス キャリアサポート ファイナンスカウンセリングを有資格者のプロフェッショナルから無料で提供するのだそうである。すなわちSmall Business こそが革新の芽であるという認識のもと、これを育てる(Incuvation)という明確なミッションがある。またコンピュータとテクノロジーのトレーニングのプログラムもあり教育の場でもある。さらに日本でいえばハローワークなような仕事の紹介もしている。否、仕事の紹介というよりはニーズとシーズのマッチング(JOB SEARCH)というべきものかもしれません。

以上見て来たように、ここは明らからに新しいテクノロジーを市民に習得させ起業を促すために作られたような施設と言って過言ではない。
https://www.nypl.org/locations/sibl
尚 リサーチ館は他に 芸術(art)を扱うThe NewYork Public Library for Performing Arts と黒人文化を扱うSCHOMBURG CENTER FOR RESEARCH IN BLACK CULTUREがある。
 
 
 

 
 
分館
マンハッタンは狭い(60K㎡)。山の手線の内側(63K㎡)と同じぐらい。ここに人口160万の人が住んでおり40もの分館がある。私が逗留したアパートメントの近くの分館(Morningside Heights)も見て来た。近くにはもう一つの分館(HarryBelafonte-115thSt)もあって分館間の距離は歩いて20分程。これはまさに面積21K㎡、人口14万の多摩市に7つの図書館があるが1館で多摩市の半分のエリアで倍の人口(多摩市:2万人/3K㎡  マンハッタン:4万人/1.5K㎡)をカバーしているという計算になるが、まあよく似たものだ。
また分館はコミュニティの機能を担うのが大きな役割で、この点においても多摩市の公民館、コミセンと併設している図書館の機能と同じようなものだ。建物は古いビルの一角にあって唐木田菖蒲館とと蔵書数は多少は多いかもしれないが建物は菖蒲館の方がずっと洒落ている。
また特筆すべきは書斎の提供であると同時に実にアットホームな感じでまさにまさにリビングルームという感じである。
分館は地域の情報の集積地でありまず引っ越して来たらここにくるべきだとか、子供のため教育の場であるとか、医療情報が充実しているとか、ものの本には書いてはあるが実態はわからない。この近くのアパートメントに住む息子の実体験で今後報告してもらうことにする。
また地域住民への教育サービスは重要な機能だと思われる。特に人種のるつぼであるニューヨークにおいて英語のプログラムが身近な場所で提供されているのはその必要性があってことだと思う。
また近年ではITリテラシーが欠かせない時代になっていることからデバイスの扱い方から職業教育としてプログラミングまで幅広いコンピュータ教育行われている。また子供や赤ちゃんを抱える若い世代へのサポート講座も重要な位置づけであろう。
教育講座だけでなく一般向けのイベントが一年間に全体で93000プログラムも実施されている。そのようなイベント整理して誰もが目的のプログラムにアクセスできるように便宜が図られている。特に各分館において 訓練されたファシリテイターによる読書会(Book Discussion)の活動が活発に行われているようである
いずれにしても各分館が自律的に教育プログラムやイベントを企画しながら各分館間でシェアしながら運営している様子が伺える。
https://www.nypl.org/locations/morningside-heights

 
 
Webサービス
建物を一通り見て帰って来たが、Stephen A.Schwarzmanは別格としても建物としての図書館は日本の多くの図書館と違いはないように思う。ただもらって来たパンフレット、チラシ、ブローショアを整理して振り返ってみるとニューヨーク公共図書館の本当にすごいところは、所蔵しているあらゆる情報をインターネットで公開し、しかもインターネットであらゆる市民にこの情報の便宜を図っているところにあると思う。
一方で情報は人に直接聞かなければわからないことが多いことから、その場を提供してくれているのが建物の施設であって、これらの建物はこのWebサービスを補完サポートするためのものなんだという想いに至った。
具体的に各サービスを見ていこう。
尚、一部 専門的なデータベースは図書館でしか見えないコンテンツもあるようだが大部分のコンテンツは図書カードを保持していればアクセスできる。図書カードはニューヨーク市民 学生 ニューヨークに税金を納めている人なら誰でももてるのだそうである。
したがって図書カードを持ってさえいればそのコンテンツを日本からででもアクセスできるということになる。
リサーチ系
1. Articles & Database
あらゆる分野の記事と文献のデータベース 現在819のデータベースにアクセスできる
2. Archives & Manuscripts
各種アーカイブコレクション
3. Prints & Photographs Online Catalog
絵画 写真のカタログ
4. Digital Collections
絵画 写真 原稿 古地図 等々のデジタル化を施したコンテンツを70万アイテム以上所蔵

 
Book/Music/Movies
1.SimplyE
30万冊がFree E-bookで読める。またオーディオブックもある。
出版元との契約 ベストセラー等も読めるのどうか興味深いところではあるが 特筆すべきはオープンソースで作っている点である。
2.Streaming Movies kanopy
映画 ドキュメンター ドラマ オスカー作品もある優れた映画 プロの作った動画コンテンツを3万点以上所蔵
3. Magazines On the Go
100社以上の出版社と契約し雑誌がオンラインで見える。

 
 
ミッション
「ニューヨーク公共図書館のミッションは生涯学習の機会を提供し知識を向上させ、社会への参加とシティズンシップを促すことで私たちのコミュニティを強化することにある。」と謳われている。
https://www.nypl.org/help/about-nypl/mission

ここには図書館は単なる無料貸本屋ではないという矜持が感じ取られ、いろんなサービスはこれに基づくものであることに得心する。
一方でStephen A.Schwarzmanで見たプロモーションビデオではLiving room of New York だととして締めくくられており一般市民の誰でもに解放されている敷居の低さが感じられる。

 
 
図書館が重要な理由
ニューヨーク公共図書館と多摩市の図書館を比べるにはその規模も違えば条件も異なる。Stephen A.Schwarzmanのような建物は到底無理だしSIBLのような図書館を運営しようにも、またコンテンツの充実を図ろうにも一自治体が整備するにはとてもかなわないであろう。しかし多摩市とて大東京の一角。知のレベルにおいて、またコミュニティの強化においてニューヨークに負けるわけにはいかない。街を活性化し人材を輩出して国際競争に勝たねばならない。
またもう一つの理由は安倍内閣も言う人生100年時代だ。従来の「教育、仕事、引退」の3ステージの人生ではとても100年を生きていけない時代になりつつあるのは事実だ。エイジ(年齢)に依存しないステージを構築しなければならないマルチステージの時代がくると「ライフシフト」は言う。このためにはいくつになってもナレッジ「知」が要求され「学び直し」が必要とされる。その場は図書館しかないではないか? その図書館が単に書籍が並んでいるだけのものでは不十分だ。そこに動機が醸し出されて「知」を身につけるための環境がなければならない。
第3に今日、我々は市場や金銭の尺度では測れないものを求めているのではないか?GDPでは測定できないもの、文化的な生活、教育、医療、介護それに人々の間の信頼できる関係、友人と過ごす時間、それを可能とする社交の場としての図書館は市民が共有する資産として極めて重要になるであろう。

 
 
多摩市本館図書館整備の資料を見て
今ここに「図書館本館の整備予定地についての市民説明会」 資料がある。そこに中央図書館の必要性や多摩市のめざす図書館についての記述がある。
以上見て来たニューヨークの図書館とその考え方、認識の違いを整理すると
1。中央管理型かネットワーク型か
  多摩市は効率化のためには中央管理が必要だとしている。また中央館には蔵書を増やして全体像を見えるようにするとしている。
  ニューヨークは88館の分館間でお互いシェアしIT技術によって便宜を図っている。
2。建物中心型かサービス中心か
  多摩市は本館を整備するのに新たな建物が必要だとしている。
  ニューヨークはSIBLを作る時でさえ既存の建物のリノベーションで対応している。しかしその中身のサービスは秀逸で世界最高の評価を得ている。
3。図書館機能の定義の範囲
  多摩市:図書館機能は本の貸し出しと定義。 ただしこれを知の地域創造に拡大するとしているが具現化した計画がない。したがってこれに掛かる費用をどのように考えているのか不明である。
  ニューヨーク:図書館のミッションを明確に定義してこれに基づいて運営している。

 
 
ネットワーク図書館のアイデア
A.既存システムの利活用の啓蒙
本の検索ができて内容のあらすじやそれがどのような評判であるかはアマゾン、ウィキペディアをはじめすでに多くのサイトがある。
これらのサイトから情報を集めてキュレーションし全国の図書館システムと連動させているカーレルというシステムがある。図書館を絞って、例えば多摩市の図書館にそれがどのように蔵書されていてどのような状態にあるかは検索語に対して本のカバーイメージと共に全体像として一覧で表示される。多摩市図書館システムともリンクしているから注文もできる訳である。
しかし多くの市民はこのようなシステムがあることを知らないのではないか? もしかして全体像が見えないとする人も知らないのかもしれない。図書館はこのようなシステムの利用の仕方を市民にもっと啓蒙すべきである。

B.昼間は図書館を利用できない一般サラリーマン・学生にも利用可能なようにする。
朝電車の中で上記Aで注文を出せば帰りの駅の下記Cのようなスタンドで本が受け取れるとしたらどうだろう。シルバーの方か主婦の方に一日一回、収納庫から駅へのデリバリー(配本)を担ってもらう。デリバリーのための情報システムはシビックテック(CodeforTama)で作ることができるであろう。
尚、情報システムは市民の声を聞いて常に改善して行くことが重要でありアップデートの度に膨大な費用を請求される大手ITベンダよりはシビックテックを活用すべきである。

C.駅前(街角)図書館
ニューヨークには街角のいたることろでLINKNYCと言う写真のようなスタンドがいたるところに建っている。これは

  • CityServiceの広報
  • 道案内
  • イベント案内
  • FreeWifi
  • 全米へのFreeCall
  • スマホの充電
  • EmergencyCall

などのサービスを提供するものである。東京でも一説によるとオリンピックに向けて設置するとのことである。
多摩市の場合、これに自動ロッカーの機能をつける。聖蹟桜ヶ丘、永山、多摩センター、唐木田の4駅に設置してスマホをかざせば上記Aで注文した本が取り出せる。返却もできる。そして図書館でのイベント案内や推薦図書を広報する。いずれにしても今まで図書館に関心のなかった人、利用したくても利用できない一般サラリーマン、学生の方にも図書館への関心を引きつける。

D.ベストセラー本のローカルブームの仕掛け
今ベストセラーとなっている本はまず借りられない。例えば「LIFESHIFT」は多摩市に6冊用意してくれているようだが100番待ちである。ベストセラーは今読まなければ意味がないという人もいるかもしれないが、ブームが去った後でも評価に耐える本は生き残る。多摩市の図書館はブームが去った後にこのような本を全国の図書館から集めて市民に提供し読書会などのイベントを企画して多摩市だけのローカルブームを巻き起こす。

E.多摩市市政情報の効果的発信システム
CodeforTamaではすでに多摩市と協働して多摩市市政データをリリースしている。

  • 多摩市市政データの分析
  • エビデンスに基づく市民意見の提言サポート機能

F.市民の参画を促す。
ネットワーク図書館はいずれにしてもBのように人手もかかるし、各種のイベントを企画して人々を惹きつけ常に斬新なアイデアで運営していかなければならない。しかしこのことは市民に仕事を提供し市民からアイデアを募って市民の参画を促すということでもある。予算はまずこのことに使おうではありませんか!新たに建物を建てることに比べれば微々たるものです。

 
 
提言
私共は多摩市を日本ーのスマートシティにしたい。このためには図書館は非常に重要だ!
多摩市本館図書館整備事業に対してここに強く声をあげたい。
ニューヨーク公共図書館のシブルが第3次産業革命を見越して開設したように、多摩市が本館を整備するにあたってはAI、IOTが牽引するという第4次産業革命を見越して、また人生100年時代を迎えてどのようにあるべきかが議論されなければならないと考えている。
そこで私共は下記の提言をしておきたい。

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「知の地域創造」ビジョン

1。緒言
「知の地域創造」という言葉は私がここで初めて使う言葉ではない。「多摩市立図書館本館再構築基本構想」に謳われている言葉である。その名の通り図書館本館再構築をするために取ってつけたような言葉ではあるが、その言葉自身はこれからの多摩市にとって真摯に考えてみる価値はある。
折しも多摩市では、このところパルテノン多摩の改修、本館図書館の移築問題で議論が喧しい。ところがこの議論の中に折角「知の地域創造」という理念を揚げて答申させておきながら、全くこの理念に立ち返っての議論が聞かれない。
そこで私は勝手に、ここにこの言葉に対する妄想を抱く。賛同いただければ幸いである。

2。「知の地域創造」の理解
私の理解は単純である。散在している「知」を「地域」という枠で再結集して新たな価値として「創造」し地域創生に資するのみならず、これを担う者自身が再び輝くことである。
結果として市内から多くの情報が発信され、小さい事業を営む人が増え活気に満ちた街が創出されることである。

3。多摩市ほど「知の地域創造」にふさわしい地域は他にない。
多摩市は日本が輝いていた時代の高度成長を支えた人々が多く住まい、その方々が定年を迎えた、あるいは迎えようとしている街である。
これらの方々は、かつて俊英の営業マン、技術者、教師、法律家、会計士、経営者であった。
ところが安倍内閣も言うように人生100年時代である。60でやめたとしても40年と言う時間がある。
政府は社会保障制度を持続させたいがためにか、60でやめさせないように定年を引き上げようとしている。
しかし今の日本の企業に彼らを養うほど余裕はないのが本音である。若い人にも活躍の場を提供しなけらばならないと言う事情もある。
そんな企業にしがみ付いているのも手かもしれないが、後の40年自分の持っている知識、経験という「知」をもとにしてこれまでとは違った枠組みでもう一度羽ばたいて見たいと考える人は少なからずいるはずだ。もちろん自分で活躍する場を積極的に見つけてグローバルに活躍している人もいるが、その「知」を持て余している人もいよう。その持て余す「知」を地域のために使ってみたいと思う人だっているに違いない。

私はこれらの「知」を「知的余剰」と呼びたい。
多摩市はこの「知的余剰」が最も集積しているところだ。これが多摩市の唯一の資源であると言ってもいい。
この資源を放置しておくことは多摩市のみならず日本にとっても大きな損失で極めてもったいない話である。

この資源を地域という枠組みに取り込み、まさに「知の地域創造」のために活用するという戦略が多摩市の行政にあってもいいはずだ。
これは多摩市でこそできる話であって地方の自治体ではできない。

4。「知の地域創造」のために必要なもの
まず行政はこの「知」を引き出さねばならない。
「知」を引き出すためには課題を与えなければならない。
この課題に、事欠くことはあるまいが如何に課題設定するかは難しい。
課題設定するためには、「知」を引き出すための情報環境が必要だろう。
この情報環境を常に整備しておくことが「図書館」の重要な役割の一つだ。
また行政が単に呼びかけただけでは人は動かない。人を動かすためにはインセンティブも必要だろう。
このインセンティブには多少のコストもかかる。しかしこのコストは何倍にもなって返ってくる。
機会を与えて動機付けをした上で形あるものとして創造するには多くの「知」が交わって、その「知」が融合、結合して化学反応を起こす場が必要がある。
「知の宝庫」となし「情報の拠点」「知の交差点」としての場と情報空間を行政は提供しなければならない。

5。「知の宝庫」「情報の拠点」「知の交差点」としての場と情報空間
このような場は従来は図書館が担ってきた。「知」は印刷された本の中にあって図書館はそれを収容し蔵書数の多い図書館ほど立派な図書館とされてきた。
そしてその蔵書を格納するための重い書架を柱のない広い部屋に隊列の如く並べたいという要望から建築家にとっては格好のテーマとなり各地に奇抜な建物の図書館がある。
しかしICT技術が極度に進む第4次産業革命が進みつつある今、その機能の多くはネット上に移行し、印刷された本ではなくなりつつある。
また情報は活字だけでなく動画、音楽、絵画、写真と多岐にわたる媒体でインターネットという通信網で配信される。
善かれ悪しかれ、このような状況にあることをまず認識した上で「知の地域創造」を実現するための「知の宝庫」「情報の拠点」「知の交差点」としての場と情報空間とはどのようなものなのかを考えてみたい。

まず情報空間としては時と場所は問わない。自宅であれ電車の中であれ公園のベンチであれ居酒屋であれ、夜であれ昼であれだ。これを実現するものはソーシャルネットワーク(SNS)として既に存在して久しい。危惧されるのはこれを一部の政治家のためのツールとしてはいけないということだ。重要なことは「知の宝庫」「情報の拠点」「知の交差点」としてのコンテンツを公のものとしてソーシャルネットワーク上に構築し一般市民のだれにとっても有益なものにすることだ。当然情報は増殖し時には議論としても発展するために、これを公のものとして運用するのは相当難しい。
しかしたとえ難しくてもルールを決め、あらゆる情報のリファレンスとなるものであり同時に「知の地域情報」の発信の場としても重要である。

住民サービスにあたり、ネット上のこれらのシステムは、マスメディア情報への依存が多かったものから一人一人の個人に必要に応じて的確な情報を届けられるという点で非常に有用であり、行政にとっても行政の効率化を進めていく上でこの利用は避けて通れないものだ。
一方で多くの方々が危惧するように、あふれんがばかりの大量の情報があり、その中には公序良俗に反する怪しげな情報、フェイクニュース、偏った意見もある。また個人情報漏洩の問題もある。
したがってこれを使いこなすことは結構難しく特に高齢者の方々には敬遠する人も多い。しかし否が応でも現代人にとっては読み書きソロバンに匹敵する必須のリテラシーになりつつあることは認めねばなるまい。そこでデジタルデバイドの年配者から子供に至るまで彼らに対してこの情報リテラシーを教え、きちっとした情報環境を整備することは社会教育としての行政の重要な役割であろう。

また本に匹敵するコンテンツを整備するという点で言えばインターネットといえどもまともなコンテンツは有料のものが多い。ニューヨークの図書館ではこのような有料サイトも市民であれば図書館が契約して閲覧できるとのことである。新聞社、出版社、著作権者に対してきちっと対価を払い市民には還元する。これは社会的にも文化を維持継続するという意味において意義あることである。

6。リアルな場としての公共施設のイメージ
一方でインターネットが全てではないことも事実である。
むしろより濃密な「知の宝庫」「情報の拠点」「知の交差点」は、目の前にいる人との情報交換の中にあってリアルな場にこそある。

私のイメージとしては以下のようなものだ。
今も図書館に行けば多くの方が静かに本を広げ読書に耽っている。学生たちはノートと鉛筆を持って勉強に勤しんでいる。当然このような方々の居場所は今以上に整備される。
しかし雑誌やその時々のベストセラー程度をおく書架はあっても高度な専門書やまして百科事典などをおく書架はない。従ってそこにある蔵書の数は限られたものだ。その代わり端末が置いてあって図書館ネットワークの中からあらゆる本を取り寄せて読むことができる。もちろん個人のスマホや自宅のPCからもリファレンスでき注文できて入館のタイミング時に準備して置いていてくれる。このようなシステムは今もあるがより洗練されたものだ。

他方4、5人で談笑できる大きなテーブルがある。資料をいくつも広げられて喫茶店のテーブルよりかなり大きい。パソコンの電源があってWiFiも完備している。床は絨毯が敷いてあって壁も消音装置が仕掛けられお隣同士の会話がほとんど気にならない。コーヒーや軽食のサービスがあって、ある高齢者のグループはコーヒーを飲みながらとりとめない話をしているが、あるグループは真剣な商談をしている。またあるグループはイベントの企画を相談している。みんな楽しそうだ。そんな中でテーブル間を行き来する人がいる。ウェーター、ウェートレスではない。どうもテーブルの幾人かとは顔見知りのようだ。声をかけて挨拶している。時に呼び止められてちょっとした相談に乗っている。こんな人は知らないかい? こんな情報はどこかにないかい? といった具合だ。 こんな相談はインターネットにはない。時に図書館の司書という仕事でもあり、ホテルのコンシェルジュのようでもある。

また大小いくつかの教室がある。手習いするところでもあり、イベントを行うところでもある。若いお母さんたちは子供たちに読み聞かせをしている。大人達も読書会をしている。一冊の本を読むにしても人それぞれに読み方があり感想や意見を出し合う。そこに新たなアイデアがわく。正に「知」の創出だ。私は隔月で公開読書会を開催しているが、この重要さ楽しさを改めて感じている。

更にホールがある。一流のオーケストラが使うには十分ではないが市内のコーラスグループが発表会で使う分には十分だ。また著名な講演者がきて講演会場として使うとしても不都合はない。
講演会が終わった後に講演者を囲んでもっと話を聞いて見たい。その講演の感想をグループで話し合って見たい。あるいは講演者の話をもとにしてもう少し調べて見たい。いろんなシチュエーションが考えられるが、そのような時にこそ講演者の話を単に聞くだけで終わらないポジティブな「知」が創出される。このような「知」の創出をサポートするファシリティ(施設機能)が前述のように揃っているということも特徴である。

そしてキッチンが欲しい。イベントの後みんなが材料を持ち寄って料理を楽しむ。イベントでの話題が余韻となり時に盃を交わしながら一層懇親が深まる。

7。結言
私のとりとめない妄想のイメージは以上のようなものだ。図書館でもあり公民館でもありコミセンでもあり複合施設でもある。さらにコワーキングであり、これから事業を始めようとしている人に対してのインキュベーションの場でもある。そんなことなら今でもできるのではないかと思われる方もいよう。
そうなのである。建物は単なる従属物でしかないのである。それがどのようなものであるべきかは自ずと答えがでるはずである。新たに建てる必要があるのか、どのように改修すべきかがである。
「知の地域創造」という理念から考えると重要なのは人のシステムでありそれを担う人なのである。マネージャが重要な役割を果たす。市民でも良いと考えるが適当な人がいなければ三顧の礼をもって、外部からでもこれを運営できる人を連れてくる。
そして上述の図書館の司書、ホテルのコンシェルジュのような従業員は多摩市民を雇う。多摩市民の雇用を増やすという意味でも「知」の結節点になってもらうという意味でも。 予算はそこにこそ使うべきであり何十億もの建設費からすればいくばかりのものか

高度なICT技術の進展、急速に進む高齢化と少子化 時代の転換期にあって旧態依然として箱物ばかりに投資しようとする姿勢にはどうしても酌みできない。
議会での議論も建てること前提のお金の多寡と箱をどこに置くかだけの矮小化した議論に終始していることは一般市民とって極めて嘆かわしいことである。細部の議論はどうしてもAさんによければBさんには都合が悪い。しかし時代の底流を流れるものは何か社会の動向は何かをしっかり捉えて理念から説き起こせばAさんとBさんの共通項が自ずと見えてきて道が見えてくるというものであろう。この仕事こそが政治の仕事というものであろうに!
注釈
①ICT(Information and Communication Technology)は「情報通信技術」の略。ITという言葉からICTへと移行しているようだ。
②インキュベーション(incubation): 新規に事業を起こすことを支援すること。もともとincubationは、卵をかえす「孵化」という意味
③リテラシー(literacy):読解記述能力

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パルテノン多摩大規模改修、図書館移転問題の核心を紐解こう!

***パルテノン多摩改修を考える会******
高橋俊彦
                —高橋氏から本サイトへの意見投稿(依頼)–

議会のチェック機能を信じて良いのか?
行政は、何故そんなに急ぐのか、理由を解明し市民が納得できるようにしたい!

<第一弾:市民の皆さんと一緒に考えるため、疑問に思い調べたことを伝え、各種疑念を
解くための調査情報で妥当性を検討戴き、正しく事態を理解するためのシリーズ>

1,等価土地交換は嘘ばかりと大いなる疑念があるのに、議会が問題解明能力不足で行政に
欺され、妥当性追求が出来ず、愚かにも組する議員が増えている様だ!
売る学校跡地(第1種中高層)は坪単価37万円、買うプール跡地(第2種専用地域)は坪60
万円、とても図書館適地とは言えない場所を超高価で買う意味があるのか!
⇒仮に、図書館としての必要条件が揃っていて、高価でも買うべき土地なら、理由をちゃ
んと市民・議員に説明すれば良いのに隠して、確認書を突然締結したのは不都合な理由を
隠しているとの疑念を持たれてもやむを得ない!
⇒購入時期を数年遅らせ、用途地域変更後に買えば半値程度にできるはず。又、プール跡
地は地下にプールが埋められたままの瑕疵担保物件との噂があり、売主負担の整地完了後
に買うべきである!(プール跡地は、本来は不要地であるが、公園用地確保のためなら1/3
程度で購入する案も検討すべきである)
⇒図書館本館跡地の歩道増設費等の購入者負担条件を飲まされているのは何故か?
⇒多摩市には、国の借金残の少ない交換候補地として旧豊ヶ丘中学校跡地等もあるのに、
有利さを比較評価していない。行政不作為だけで済まず、議会と共に違法行為を行ったこ
とになるのでないか?
⇒若者達から、昔の市長・副市長・企画部門長・教育長・議員達も、大馬鹿者だったと歴史
に刻まれる記念碑になることを恐れる!~~~
急がば回れ!といった諺を忘れてはいけない! もっともっと熟慮すればこのような
誹りを受けないで済むまちづくりが出来るのではないか?

2,パルテノン多摩は、築30年改築で80億円かかる?
武蔵野市市民文化会館は築40年、45億で改築できたと最近発表があった!
多摩市も4年前まで40億以下の計画だったのに、サントリーホール・オペラハウス並みの
贅沢ホール改造計画に急に変わった理由説明も、代案検討もしていない!
答申されたパルテノン基本計画書には、図書館移転問題は何も述べられてなく、今後の
検討課題と称するページがかなりのページを占めた未完成物に過ぎない!
⇒都市計画税が使える法令改正があったため、急に大風呂敷を広げ、有名ホール専門家を
委員会長に招き、市民ニーズ調査もせず、数年前の40億円見積もりを忘れ、贅沢見積書を
丸投げで作らせてしまったのに、市民へのお詫びも反省もないのは無責任でないか!
⇒改築基金は約20%しか貯まっておらず、残りは都市計画税頼みの10年ローン返済だ!
数年着工を遅らせれば基金も貯まり、未来世代への負担軽減が可能となるのに無責任!
⇒市長は、パルテノン大規模改築と図書館新館計画で次期市長選に打って出ようと考えた
様だが、2期もやっておりながら、市の政策企画力を全く理解できていない組長を戴く不幸
を嘆きたくはない。新しい夢を与えられるリーダでなければ意味が無いではないか!
⇒議会は、図書館と同時工事の理由究明も、議会案のまとめ集約もできず、右往左往!
⇒パルテノン基本計画書をベースに、市民の積極参加で将来を見据え全面的再検討が必要
だ!(数回の手遅れワークショップごときで決められる問題ではない!)

<第2弾:多摩市と議会の政策力・判断力はこれで良いか?>
3.パルテノン特別議会は、パルテノン多摩の閉館時期を、平成30年10月末(築30年)
から平31年11月30日までと決めた。オリンピック前の工事費大幅高騰時にしなければなら
ない理由として、根拠不十分な老朽化で危険なので緊急性があるとし、藤原委員長の強引
な議会リードで決めた! その結果、突然、行政がホールのみの改築にすると言い出し、
議会は混乱した(全館閉館になると財団収入がなくなるのを防止する為で、部分閉館が可
能なら危険性が理由ではない事が明らかとなった)。
⇒調べたところ、ホール天井の地震対策が法令改正のために必要になったが、特定天井
落下対策は1~2000万程度で10年程度延ばせ、全面改築を急がなくても良いことが分った
ので、天井落下に関し耐震診断結果を明示すべきである!
⇒行政は、どうしても、パルテノン全面大改築計画を強行したい理由は、土地交換条件(
時期)を守るためと、業者との癒着を隠すための下心で、天井の簡易な応急策を避ける屁
理屈を並べ、議会をだました結果と推察できる!
⇒立川市文化会館は築40年で、天井落下対策で網を張っているだけ!
パルテノンのホール天井は非常に丈夫な材料GDC(Glass Reinforced cement)で出来ている
ので、補強は必ずしも必要ではないうえ、簡単で安価にできるとの専門家の意見を聞いた
! 
⇒全面改築工事を、今、しなければならない理由はないのです~~~オリンピク後に延期
すれば工賃は大幅に下がるのです(簡易な天井落下応急工事をする業界もできている)!
⇒オリンピック高騰時期に工事強行すれば、手抜き工事、工費倍増になる可能性が懸念さ
れる! 議会で、工期とコストは関係ないと非常識な行政からの虚偽答弁がまかり通る
! 
  市長・副市長・企画政策部長・教育長達は、どの様に責任取るのであろうか!
     ~~~~市民の皆さんどう思いますか? 正常でしょうか?
4.中央図書館計画は基本構想が、3月に出来たばかりで、基本設計はこれからなのに、
驚くべきことに、図書館本館移転計画が、土地交換時期に合わせて作られている!
とても不便で高価すぎるプール跡地を適地と断定し、市民の疑念を押し切り、付加価値
を生まない単独館で、中央図書館計画を本館計画として大幅縮小を企んだ、行政不作為が
ある。
又、多摩センター地区は小中学校生徒増でアップアップし、近未来の中学校不足(現鶴牧
中学校定員は他中学校に較べ生徒数倍増で限界の様だ)が生じることに頬被り!
(近未来に旧西落合小学校跡地は売却しないで中学校に戻す検討も必要。旧豊ヶ丘中学校
跡地売却案は、多摩市としては国への返済金が数億円有利、歩道工事費負担もない)
⇒今、必要なことは、現在検討中の全ての案は問題が多すぎるので破棄し、市民意見を確
り取り入れて中央図書館基本計画を完成させた数年後に、教育委員会の手をはなし、企画
政策部・くらしと文化部主導に変え、更に市民協働できる大量の市民有識者の積極的参加
を得て、付加価値の高い複合施設案を作る手順と時間が必要!
⇒議員達は、市民からの政策提案や陳情数案出されているのに、真剣に取り上げず、継続
審議と言いながら、何も検討しない議会不作為を悪事と感じない、無責任体制が実体の様
だ!
(大和市文化創造拠点の図書館+文化ホールを見学し、いろいろ意見を交わしてきたが、施
設検討時点では、教育委員会は殆ど関与していないとの事で納得!)
⇒現図書館本館利用は、暫定利用期間を更に延長すれば良いだけ!

<第3弾:行政も議会も、市民意見をねつ造・無視・馬鹿にしていないか?>

市長・職員・議員は、市民の意見を「聞く振り」をして、市民を騙し通せると考えている
ようで異常・非常識だ!。。。。。市民は騙されたまま、違法行為を黙視してて良いのだ
ろうか?
5.市長は、「市民とともにつくるまち」を掲げ、市長に選ばれたのに実体は以下のごと
し!
・7月になってワークショップと称して、「パルテノンをどう改造すれば良いかについて
意見を聞く会」を数十名の市民公募・大学教授司会で数回開催、色々な意見が出て面白か
った。
しかし、数年前にやっておかなければならないことを、今頃になってやっている!
①行政の本来やらねばならないことを怠った行為(職務怠慢)の、カモフラージュでしか
なく、政策の進め方が未熟・強引・無責任(都市計画の経験不足だからやむを得ないでは
済まされない)で、全く間違っている愚かな習慣行為が根底にある!
(本来は、誤った行為があったことを詫び、議会検討状況の現状説明をしてから、始める
べきワークショップであったならと思う)
②パルテノン改修案も図書館移転案も1案しか提案されていない(代案がない)のは
、①②とも市民の選択権を奪っていると市長に迫ったが、司会の大学教授は、私もその通
りと思うとの前置き(この矛盾を誤魔化すために、藤原委員長が事前に先生と調整したと
も聞くが)で、話を転化され、答えが得られなかった。(ワークショップ゚終了後も、未
だに未回答)
(実は、私はこの会の存在を知らなかったので、途中から出席しようとしたら登録されて
いないと拒否されたので、誰でも良い公開討論のはずだと主張し受付で揉めたら、暫くし
て許可され出席できた。市民参加を無条件で歓迎せず、何故制約するのであろうか?)
⇒市長は、幹部職員の能力、仕事の進め方の良否を理解できて居らず、市民の声を聴き反
省する事もできない無能さが目立つ様だ!
⇒市民の反対意見に対し、謙虚に聞く耳を持った振りだけしているが、議員を誑かせば、
事態は収拾できると甘く考えているようだ!
⇒真の市民の声を聴くための具体的制度変更に関する市長実績は皆無に近く、言葉の魔術
に溺れた空論ばかりに騙され続けていると言え、自治基本法の精神に触れている!
6.議会は、市民の代表として恥じない行為・行動をしているとの自覚があるのか?
・議会が、市民の意見を聞く会を8月に2回開催したので、出席してみると、テーブル着席
がコントロールされており、議員がテーブル毎に司会・まとめを報告する形式で、市案賛
成派の人材を動員し全テーブルに配置、構えていた事が後で分った。(議会事務局は、ど
んな目的で人の配置を決め、市民や議会のミカタの役割を果たしているのだろうか?)
各司会は、殆どが市案賛成議員がするので、反対意見はかなり薄められ表現されていた

更に驚くことが、数日後に公表された記録からは、反対意見は殆ど削除されていた!
本来、議会は議員3案を作成し、市案と対決するはずなのに、自分達の案を纏め調整・
集約することが出来ないで、市民を集めて意見を聞いたことにして(これも纏められない
)、市案で結論を出そうとした欺瞞行為としか思えない!
⇒議会は、行政施策を批判的に見て、予算獲得し数ヶ月検討、各会派毎の案を作成したが(
本来は、議員は都市計画の経験も能力もないのだから、要望仕様に止め、基本設計に戻るべ
きだったのに誤り、行政からチェックされる立場となったのは残念!)、纏めることが出
来ず、市民意見を聞いたことにして、強行突破を企む無責任体制が強く・混乱状態になり
そうだ!
議会の知的レベルや信念・夢のなさ・問題解決/調整能力の無さは呆れるばかり!
(これでは、80億円の無責任な無駄、違法行為の土地交換が強行されてしまう)
⇒議会の検討中の試案に対する、行政からの法的・技術的支援等のサポート不足が、2元代
表制の独立性に基づく誤解が有ったようで、両者の良い点を取り合い、協力し合って良好
な案を練り上げる努力になれなかったのは、誠に残念であったと感じた。
⇒市民団体が作成したパンフレット配布を禁止宣言(口封じ策)・回収した、藤原委員長
と大野副委員長の議員失格・懲戒免職を求める決議をしたい思いが強く、全く市民意見を
聴く会になっていない証明・犯罪だ!
(反対意見でも素直に聞く耳を持てない議員は失格だ! また、議員と業者との検討会
を、市民排除の秘密会にしたために各種提案の市民修正が利かなかった反省がない!)
⇒未来世代に負担を先送りする(市庁舎はなんと28年間分割ローン計画である事を知っ
ていますか?)、行政企画力の無さ・無責任さ・先見えしない眼力、議会のチェック能力
の非力さを嘆くのではなく、市民有志を大々的に集め、研究会・審議会を興すべき案件と
思う! 市民は黙視していて良いのか? 立ち上がるべき時が来たと思うが如何に?
⇒議員とはどんな役割を負っているのか、どんな考え方が出来る人達なのかを、良く良く
考え直そうではありませんか! 
これからの会合司会も報告者も市民主体で行い、着席はテーマ別に自由にする。議員と市
民の勉強会なのだから、開催費用は議会が持つ慣習を創ろう!

<第4弾:多摩市20年長期財政計画は、200億円以上不足が見込まれることを、隠蔽!
近視眼的財政計画に終始・リードした市長以下幹部職員の責任は重い!
市民ニーズを無視、多摩センター活性化プロジェクト提案充実化が不十分!>

7.多摩市の20年財政計画では、公共施設改修関連で約200億円資金不足(10年先で100億
、20年先の市庁舎や焼却場等でさらに100億円)予想があるにも係わらず、無責任にも贅
沢ホール改築・超高価な無駄遣いとなる図書館本館単独新築などを、無理に今実行しない
といけない理由などない!
幹部職員の意識や正義感も低く不勉強・無責任体制で、上から言われたことしかやらな
い無批判体質を良しとはできない!
職員の中にも良識者はかなりいるのに発言を押さえられている様だが、意欲有る有識者の奮
起を願うと共に、独裁者の存在が問題なのかを明らかにしたいものだ!
⇒議員の問題解決能力・提案対応力もなく混迷中であり、覚醒を望むのは私だけではない

彼らには多摩市民としての信念・未来への責任感があるのか疑問になる!
問題解決能力や市民ニーズを理解する能力・意欲高揚の養成が急務のようだ!
⇒都市計画税の流用可能性から、豊満感覚に急変してしまった、市幹部職員の浅はかな意
識は大いに問題であり、来たるべき大赤字時代を見据えた緊縮財政政策へ転換すべき危機
意識がなく、旧態依然とした箱もの行政で、若者にローン返済責任を転化して良いのか!
⇒多摩市民でない幹部職員が多いので、自分達の支払い義務の生じない都市計画税負担増
に無感覚になっているように感じる!
8.多摩市長期計画では、多摩センター駅前活性化プロジェクトの早期詳細化の必要性が
述べられているが、残念ながらグランドデザインが未決のままで、若者に明るい夢を与え
ることが出来ない!
多摩センター駅前は、小田急線/モノレール延伸やリニア新駅開設等で交通アクセスの大
幅改善が予想されるので、駅前に「文化創造を育む市民協働シビックセンター構想(仮称)(市庁舎+図書館+公民館+子供センター+健康増進センター+大学生交流センター等の付加価値の高い複合施設)」を市民案として陳情し更に具体的な提案をしたいと考えているので、改めて検討する体制を作って欲しい。
たが、議員達の理解範囲を超えているのか、無視され続け、検討案5案の中に片鱗さえ見えない、無責任!
今、パルテノン改修・図書館移設案を全て廃案にし、立ち止まって、総合的な将来を見据えた複合施設を検討する、市民主導の検討会を開催し、若者達のために、数年掛けて知恵を出し合おうではないか!
⇒行政や議員に任せきるのでなく、儚い夢は諦めて、有志ある市民の出番だと自覚しよう! 
⇒都市公園法の改訂を利用したり、民間活力を導入したPPP/PFI/SIBコンペ発注などの民間活力利用の新手法を取入れたり、市民から更なる積極的大胆な提案活動を興そうではないか!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
以上の検討後の結論として、以下の施策提案を行いたい。
{政策提案1}
パルテノン多摩大規模改築計画・図書館移転計画は、問題が多いので全て検討中断し、立ち止まって市民と共に検討に数年掛け、どちらの基本計画も確り作り直そう!
(土地交換も中止し、旧豊ヶ丘中学跡地売却案等を提示し、プール跡地は1/3程度の価格なら子供キャンプ場などの公園用地として購入する案も検討する。
パルテノン多摩は、ホールの特定天井耐震性検査結果で簡易な応急策のみ実施し、閉館時期をオリンピック後に延ばす。現図書館本館の暫定利用期間の延長も決める)

{政策提案2}
多摩センター駅前活性化案として、文化創造を生む市民協働の場・シビックセンター(仮称)・市民協働の文化創造センター(市役所+中央図書館+公民館+子供センター+高齢者や介護支援センター+防災基地等+大学生支援センター)+(マンションやオフィス群+屋上は公園緑地化)を含んだ付加価値が期待できる複合施設(高層)を建設する計画を数年掛けて、市民協働で豊かな夢のある未来創造を目指す。
⇒長期的財政計画の健全化視点を確り持って、グリーンライブセンターを鶴牧西公園に移設跡地のパルテノン多摩東側に建設するため、都市公園指定解除するなど市有地の有効利用策を拡大し土地代無料化を実現する他、市庁舎跡地や不要学校跡地の売却促進やビル賃料収入増を諮る工夫等が必要不可欠である。  
① 市民有識者を大量に入れた都市計画審議会等を補強し、数年掛けて答申を出す。
② PPP/PFI/SIB等の新しい民間活力を活用するコンペ方式を採用する。
③ 公共施設運営に関する人件費等のコスト削減策も十分に検討し、パルテノンのような高額にならないよう、外注制度等を含めた検討も実施する。
等も必須である。                           以上

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